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虹

​診察室へようこそ

ヒアリングフレイル(1)

2026年7月

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ヒアリングフレイルとは、加齢などによる軽度から中等度の難聴に加え、聞こえにくさが生活機能に影響し、会話や 
社会参加等が減少し始めた状態を言います。

難聴があると、認知症のリスクが高くなることが知られています。最近では、難聴が認知症リスクの第1番目にあげ
られるようになりました。また、難聴の程度がひどくなるほど、認知症を発症するリスクも上がっていきます。
耳が聞こえにくくなると、会話が減ったり、外出をさけたり、まわりの人たちの集まりにも出なくなり家にこもり
がちになります。社会的孤立は認知症の大きな危険因子です。

また、「なんと言ったのだろう?」と聞き取ることに脳の力を使うため、本来、記憶・判断・思考に使う認知資源が
減ってしまいます。これを認知負荷と言います。
難聴はまた、意欲低下やうつ状態をひきおこします。抑うつそのものも認知症の原因となります。
難聴を放置すると、耳から聴覚神経・脳の聴覚野への刺激が減少し、聴覚野の活動が低下します。さらにすすむと 
視覚や触覚など他の脳領域が視覚野を代償的に利用するようになります。これを脳の可塑性といいます。ここまで 
進んでしまうと、聞こえの回復が難しくなる場合があります。

来月は、聞こえにくいと感じたら、どのように対応すれば良いのかをお話しします。

認知症の生活リハビリ(3)

2026年6月

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10数年ほど前に外来通院をしていた患者様の話です。

​

ある時から認知症が進み、徐々にスケジュール管理が出来なくなり、家事も次第に出来なくなりました。1日に何度も
クリニックへ電話がかかるようになり、多いときは1日に7回の電話を受けたことがありました。電話の指示がなけ
れば物事が進まなくなっているようでした。
確かに、自宅訪問をすると、お掃除ができていないことがわかりました。外来通院から、訪問診療へ切り替え、その後
のことを皆で話し合いました。
デイサービスの利用は拒否が強く難しかったため、ヘルパーによる生活リハビリを開始。掃除をするヘルパーの傍で、
雑巾を絞ることから始め、拭き掃除をしてもらいました。拭き掃除の範囲が、少しずつ広がっていきました。
拭き掃除が出来るようになると、ヘルパーがした、洗濯物を干してもらいました。また、ヘルパーと一緒に買い物に行
き、ヘルパーと一緒に簡単な食事が作れるようになりました。

 

ある日、訪問診療に行くと、掃除機が玄関に出ていました。”今日はヘルパーさんが来る日でした?”と尋ねると
”いいえ今日は来る日ではありません”とのこと。私の訪問診療の日だったため、掃除機をかけたとのことでした。

 

夫が死亡した後も、ヘルパーの見守りのもと、ひとり暮らしを続ける事が出来ました。

認知症の生活リハビリ(2)

2026年5月

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アルツハイマー型認知症に脳梗塞を合併し、回復期リハビリを経て退院された患者さんです。入院中か    
ら、イライラや易怒(些細なことで怒りやすい状態)がひどく、数種の向精神薬が処方されていました。    
失語症を認めたため、川島隆太先生の読み書きドリルと計算ドリルをすることになりました。また、庭    
仕事に関心をお持ちだったので、庭の草むしりをお願いすることになりました。

 

奥様と、生活リハビリを行なう事に関して取り決めを行ないました。ドリルの後に“よくで    
きた"と褒めること、草むしりの後には、必ず”ありがとう”とお礼を言うことです。元々亭主    
関白だったらしく、最初奥様は“よくできた"と褒めることや草むしりの後に”ありがとう”と    
お礼を言うことに対して気が進まなかったようです。    
そうこうしながら、続けるうちに、次第にイライラや易怒が落ち着き向精神薬を中止するこ    
とができました。その頃には言葉も少しずつスムースに出るようになり、それによるイライ    
ラも減っていきました。

 

奥様は次第に“よくできた"と褒めることや”ありがとう”とお礼を言うことがご自分の役割で    
あると納得していかれたようです。ご主人も、草むしりは自分の役割と心得、庭がきれいに    
なりました。外来での笑顔もだんだん素敵になっていきました。

認知症の生活リハビリ(1)

2026年4月

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高齢の認知症の患者さんが増えています。その中には、生活リハビリをして症状が改善してくるケースがあります。

 

老夫婦の妻が認知症になり、息子さん夫婦に引き取られました。引っ越しをし、お嫁さんとの同居となったため、

新しい生活になじめず居心地が悪そうでした。ご家族と相談して、少し家事を手伝ってもらうことに

しました。自分の食べたお茶碗を洗うこと。家族が取り込んだ洗濯物をたたむこと。ただし、お茶碗

の洗い方が汚くても、本人の目の前での洗い直しはしない。家事をしてもらったら、必ず”ありがとう”

とお礼を言う。との取り決めをしました。だんだんお茶碗はきれいに洗えるようになりました。

雨が降ったある日、お嫁さんが急いで帰宅すると、洗濯物が取り込まれ、きれいにたたまれて

いました。その患者さんは、”洗濯物の係は私ですから”と胸をはって言われたそうです。

​

認知症の患者さんも、私たちと同じように自分が色々できないことに対する不安を抱えておられます。

家事をして、ありがとうと言われることで、少しずつ自信を取り戻すのではないかと考えます。

また、家事の一部をになうことで家の中での居場所もできるのではないでしょうか。

誤嚥性肺炎とブローイング(3)

2026年3月

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訪問診療を受けている患者さんは、訪問看護も利用しています。            
誤嚥があり呼吸音の増悪を認めた場合、訪問診療時にペットボトルによるブローイングを指導しています。            
そして踵をしっかり床につけ背すじをまっすぐにして座るよう指導をします。食事の時もブローイングの            
時も常にその姿勢をとってもらうようにしています。            
同時に訪問看護ステーションに対して、訪問看護時にブローイングをしてもらうよう指示を出します。            
また、口腔、咽頭、喉頭周辺の筋肉を鍛えるために、舌の運動や嚥下準備体操、発声の練習を指導をする            
よう指示を出しています。            
           
当クリニックがよく利用する訪問看護ステーションの看護師さんは慣れたもので、誤嚥を疑った場合            
には家にあるペットボトルを利用してブローイングの指導を開始し、あとで、ブローイングの指導を            
開始しましたと報告があるようになりました。            
また看護師さんは、口腔内を清潔に保って細菌の誤嚥を防ぐ目的で、歯磨きの指導や口腔清拭の指導も            
しています。            
           
患者さんも日常生活の中で、ブローイングをすることが当たり前になり、毎食後に定期的にブローイングを            
するようになってきています。            
そのおかげで最近は、訪問看護ステーションに対して誤嚥性肺炎治療目的で抗生剤の点滴の指示を出すこと            
もなくなっております。 

急性気管支炎とブローイング

2026年2月

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今月は、急性気管支炎に対してブローイングの効果があったお話をしたいと思います。

​

この冬は風邪の後、気管支炎の症状が持続し咳・痰が続く症例が例年に比べてたくさんありました。

熱発も感冒症状もそれほど強くなく、その数日後から咳が出始めます。次第に喀痰の量が多くなり咳がひどくなってきます。

聴診をすると全例に、肺の一部、あるいは全体に痰がたまった雑音を聴取しました。数例に、胸部レントゲンや血液検査を

しましたが、それほど問題を認めませんでした。希望のあった患者さんにはコロナ・インフルエンザの検査をおこなっており

ますがいずれも陰性でした。

治療としては、気管支拡張剤の貼付を開始し、ブローイングの指導をおこないました。今回は若い方が比較的多かったため、

皆さんブローイングが上手にできておりました。

1週間後に確認の外来受診をしていただきました。ブローイングにより痰が良く出るようになり、痰が出ると咳もましに

なり呼吸も楽になるようです。なかには1週間後にすっかり良くなった方もありましたが、ほとんどのケースは改善するまで

2-3週間かかりました。ブローイング開始後の最初の受診の時は、“びっくりするほど痰が出ます。でも痰が出ると楽になり

咳もましになります。“次の受診の時は、“痰の色がきれいになり、咳が少なくなったため夜もよく眠れるようになりました。”

その次の受診時は“咳も痰もほぼ出なくなりました” と皆さん同じような経過報告がありました。

この冬の初めの時期は、抗生物質の投与が必要となった方や、1例は肺炎を合併して入院が必要になった方もありましたが、

ブローイングを取り入れてからは、皆さん抗生剤を使用することなく改善しております。

 

高齢の方で誤嚥を時々するので、毎日ブローイングを続けたいと言う方がおられ、また若い方は、今後また咳と痰が続く時には

自分でブローイングをやってみたいと、皆さんブローイングに対しては好意的な印象を持たれたようです。

2026.2

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とブローイング

2026年1月

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今回は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対してブローイングの効果があったお話をしたいと思います。

​

大阪市内に住んでいた高齢の父親が娘さんに引き取られ、千里ニュータウンに引っ越してこられました。
肺気腫のため在宅酸素療法を受けておられ、また移動は家の中ではなんとか歩けますが、外では車いすが必要でした。
5Lの酸素吸入をしておられ、呼吸音も悪く、明らかに肺に痰がたまっていました。痰が出にくいため、電気屋さんで
吸入器を買ってもらい、1日3回、吸入およびブローイングをしていただきました。デイサービスにもお願いをして、吸入
とブローイングをしてもらいました。訪問診療時には、排痰を促すため肺理学療法を行いました。ブローイングをすると
痰が出て、呼吸が楽になるためご自分でも積極的にブローイングに取り組んでおられました。
同時に、日常生活動作のリハビリ、下肢筋トレ、歩行練習を指導。訪問看護でもリハビリを続けてもらいました。
最初日中はベッドで寝て暮らそうという姿勢がみられましたので、ベッドで過ごさず、台所の椅子に座ってテレビを見て
過ごすよう指導しました。

​

排痰ができるようになると次第に呼吸音が改善し、吸入酸素量を2Lまで減らすことができました。そうなると、ご本人
はがぜん意欲が出てきてリハビリが進み、酸素ボンベを引いて、外歩きの練習ができるようになりました。
ご本人は、なくなられた妻のお墓参りがしたいと希望をし、コツコツと呼吸療法と歩行のリハビリを続けました。
1年半後、酸素ボンベを自分で引っ張り、夕陽が丘まで地下鉄に乗ってお墓参りをすることができました。

2026.1

​今後も、いろいろな疾患に対して追加をしていきますので、よろしかったら、また覗いてください

院長

渡辺満喜江

住所

大阪府豊中市上新田3-4-17

電話番号

06-6835-7550

 車椅子でも利用できるトイレ 

アクセス

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桃山台駅より徒歩8分

竹見公園北向かい

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〒560-0085 大阪府豊中市上新田3-4-17
電話番号 06-6835-7550

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